母の実家の納屋には、大量の灯油が保管されていた。しかし、近頃この灯油が頻繁に盗まれるという問題が発生していた。家族は頭を抱え、何か対策を講じなければならないと考えた。そこで、ある日、私は大胆な案を思いついた。灯油タンクに灯油の代わりに水を入れるというものだ。
その後、誰も知らぬ間にいつものように何者かがタンクから「灯油」を持ち去った。そして数日後、村の中で噂が立ち始めた。どうやら盗人は間違えて水を盗んでしまい、自らの車を故障させたらしい。これにより、納屋の近辺での灯油盗難事件はぴたりと止まった。
家族と一緒にこの出来事を思い出しては、私たちは笑い合い、安堵の気持ちを覚えた。これでようやく平穏な日々が戻ってきたのだ。灯油を守るためのちょっとした策略が、意外な結末をもたらしたことに、私たちは少し驚きつつも、心の中で小さな勝利を感じていた。