彼女は福岡古賀巨生館で唯一の女子マネージャーだった。彼女の笑顔はチームにとって癒しの源だったけど、昨年の夏、彼女の背中に痛みが走った。病院で診断された腫瘍。それでも彼女は、いつものようにチームのサポートに徹し続けた。
重苦しい空気が流れる中、主将の緒方君が声を上げた。「亜美を甲子園に連れて行くんだ」。彼女の夢を叶えるため、チーム全員が心をひとつに戦うことを誓った。
修学旅行で東京へ行くときも、船木さんは病室から仲間を応援していた。谷口君は、彼女にお守りを渡し、「絶対に戻ってこい」と願った。それから時が過ぎ、病は芳しくなかったが、彼女は最後の最後までスコアをつけ続けた。